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2つの教育団体で活動する教師、性教育と特別支援教育の必要性

教育団体 特別支援学校 教師 教員 学校の先生
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学校外での活動についてインタビュー!

今回は埼玉県の特別支援学校ではたらくアラタ先生(@r1G1iceYqPonNrR)に取材しました。

 

聴覚障がいとトランスジェンダーという背景を持ち、性教育を学ぶ場を提供する もあふる、特別支援について学ぶ場を提供するMuniM(ムニム)で活動されています。

2つの団体の活動内容、そこで活動する想いについてお話を伺いました!

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アラタ先生のプロフィール

名前 アラタ
年齢 23歳
勤務場所 埼玉県の特別支援学校
勤務形態 常勤
担当教科 国語
Twitter @r1G1iceYqPonNrR
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もあふる での活動

教育団体 特別支援学校 教師 教員 学校の先生

ナツ
ナツ

アラタ先生は2つの団体で活動されているんですね。
ではまず もあふる について、どんな活動をしているのか教えてください!

アラタ先生
アラタ先生

大学内で性に関する学びはある程度担保されています。しかし、教員養成課程ではほとんど扱われていない現状があります。
その知識を知らない学生たちが現場で、性の悩みを持っていたり性に関するトラブルに巻き込まれた児童・生徒と対面したりするとき、何も知らないままだと生徒が苦しんでしまいます。
それだけでなく、対応する側もなぜ上手くいかなかったのかわからないままになってしまうので、先生たちにとっても苦しいことです。
この苦しみの連鎖を断ち切るために、もあふるは現在、教員養成課程の学生さんに向けてオンラインで学びの場を提供しています

 

性教育の必要性

ナツ
ナツ

アラタ先生が考える、性教育の必要性について教えてください

アラタ先生
アラタ先生

今ではLBGTという言葉が浸透してきている面や、どうしても男子と女子に分けて考える面があります。そのような面で、悩みや課題を持つ生徒に対して知識がないまま接するのでは、傷つけてしまうのと同時に性の知識を全て鵜呑みに学んでしまうリスクがあるのではと考えています

ナツ
ナツ

生徒に性教育を教える保健体育の教員に限らず、全ての教員が性教育の知識を持っていた方が良いということでしょうか

アラタ先生
アラタ先生

そうですね。
性教育を授業で取り上げる際には「歯止め規定」が存在しており、「ここまでは教えていいけど、これ以降は教えてはいけない」といった制限がかけられています。どうしても指導の難しさは生まれてしまいます

ナツ
ナツ

歯止め規定があるということは、 もあふるで学ぶ性教育の知識を生徒に教えるわけではないけど、いろんな生徒と接する教員として性の知識は持っていた方が良いですか?

アラタ先生
アラタ先生

学校で教えるというよりは参考にしていただいて、小学生から高校生という幅広い年代で性について考える機会を与えられるように、知識として持っておいた方が良いと思っています。
ただ、知識だけでは足りない部分があると思います。そこを もあふるが“3ヶ月間のオンライン教育実習”という形で、様々な講師をお呼びして「共に考えていく」という感じで学びに取り組んでおります

ナツ
ナツ

アラタ先生はFtM(Female to Male)ということですが、過去に性の知識が足りない教員から悲しい思いをしたことはありますか?

アラタ先生
アラタ先生

理解されないという面でショックを受けたことはあります。
以前勤務していた学校では自分の周りにのみカミングアウトしていたのですが、緊急時対応訓練の際に男子生徒役を任される予定でした。しかし当日に担当教員から「別の男性教員に代わっていただいた。第一発見者が男性教員で、女性であるあなたに触れるのでは問題になるから」と言われたことにひどくショックを受けたのを覚えています

 

もあふるで学べる性教育

ナツ
ナツ

もあふるでは具体的にどのような性教育を学ぶことができますか?

アラタ先生
アラタ先生

実際にLGBTの方の体験談を聞いたり、思春期保健師元法務教官の方、外部でそのような問題に取り組んでいる機関など、様々な方をお呼びしています。
「いろんな視点から考える」ということが一番貴重な学びなのではと思っています

ナツ
ナツ

そのような方々を呼んで、どんなお話が聞けるんでしょうか

アラタ先生
アラタ先生

過去には「性的同意」の大切さや、女性がそのような知識を学ぶ場は多くあるが男性が学ぶ場が少ないということから、男性養護教諭の方をお呼びして「男性も学ぶ必要性がある」といったことなどを学んだことがあります

ナツ
ナツ

性的同意…性行為の合意ってことですか?

アラタ先生
アラタ先生

性的同意とは、例えば彼女が彼氏を単に「家に遊びに来て」という意味合いで誘ったとします。彼氏は「ふたりきりってことはそういうことをしていいんだよね?」と投げかけ、彼女は「そんなつもりはない」と拒否する。その時点で性的同意は得られていないということになります。性的同意を得ていない相手に無理やり行うのは強姦と同じことです。
性的同意を確かめるためにはお互いにしっかりと”相手に伝わる意思表示が必要”で、それを大切にしてという話でしたね

ナツ
ナツ

確かに性的同意は大切ですね。
ほかにはどんな内容が学べますか?

アラタ先生
アラタ先生

ほかには授業づくりですね。実習生は終盤にこれまで学んだことの模擬授業を行います。性教育の知識だけでなく、授業の作り方もいっしょに学びつつ、自分なりの性教育の指導方法を身につける場にもなります。
毎回、自分の専門教科と絡めて性教育をする実習生がいるので、僕ら運営の学びにもなっています

ナツ
ナツ

保健の授業を想定した性教育だけではないんですね

アラタ先生
アラタ先生

英語や社会と絡めて取り上げている実習生がいました

ナツ
ナツ

もあふるの 講義は誰でも聞くことができるんですか?

アラタ先生
アラタ先生

コミュニティに入れば聞くことができます

ナツ
ナツ

教育実習があるということは、もあふるの講義は大学生向けでなのでしょうか

アラタ先生
アラタ先生

学生向けに実習を展開していますが、むしろ現職の先生方にこそ聞いていただきたいので、実習のアーカイブ動画を全て視聴できるコミュニティの運営をしています

 

もあふるで活動する想い

ナツ
ナツ

アラタ先生がもあふるに加入したきっかけは何だったんですか?

アラタ先生
アラタ先生

僕がもあふるを知ったきっかけが、APO connectという団体の夏フェスに講師として誘われ、登壇したんです。その誘ってくださった方が運営の方で、もあふるについて知り、興味を持ちました。
あとは以前の勤務校で性に対する認識を揺るがすきっかけがあったので、もあふるに入りたいと思い加入しました

ナツ
ナツ

アラタ先生はどんな想いで活動しているんでしょうか

アラタ先生
アラタ先生

もあふるでいろんなメンバーと共に運営していますが、性教育の分野は思ったよりも広く深い問題です。性に関する問題について自分なりの考えを持って行動できる人をもっと増やしつつ、知られていないことを普及していくというのが大切な役割だと認識しています。
「性教育について考える機会をもっと提供できるように」という思いで活動に参加しています

 

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MuniM での活動

教育団体 特別支援学校 教師 教員 学校の先生

ナツ
ナツ

MuniMではどんな活動をされているんですか?

アラタ先生
アラタ先生

MuniM(ムニム)特別支援に焦点を当てた団体です。
「違ってあたり前」という社会を目指している団体で、特別支援について知識だけでは得られない部分を学ぶ場を提供し、パートナーを育成していくことを目指しています

 

MuniMで学べること

ナツ
ナツ

「特別支援について知識だけでは得られない部分」とは、具体的に言うとどんなことでしょうか

アラタ先生
アラタ先生

さまざまな障がいについて法律関係社会における障がいや障壁とされることに対して課題感を持って学び、選択肢を広げることを一番の方針にしています

ナツ
ナツ

「パートナーを育成していく」というのは、どういった意味合いでのパートナーですか?

アラタ先生
アラタ先生

理解者・支援者という意味合いですね。
知識だけでは理解ができないという前提に立って、「必要なスキルを身につけ相手を理解しようとする人」としております

ナツ
ナツ

必要なスキルとは、コミュニケーションのことでしょうか

アラタ先生
アラタ先生

コミュニケーションもそうですし、対応方法もですね

ナツ
ナツ

MuniMで学ぶのはどんな方を対象としていますか?

アラタ先生
アラタ先生

福祉や教育に関わる大人たちを対象とする予定です

 

MuniMで活動する想い

ナツ
ナツ

アラタ先生がMuniMへ加入したきっかけは何だったんでしょうか

アラタ先生
アラタ先生

もともとuniqueという団体があり、その団体の「1から新しいプロジェクトを立ち上げるため、挑戦してみたいメンバー募集」というツイートを拝見し、やってみたいと思って加入しました

ナツ
ナツ

そのプロジェクトに挑戦したかったのはなぜですか?

アラタ先生
アラタ先生

大学生のときから運営というものに挑戦してきた経験があり、更なる経験をしたいということと、新しいことだというのを聞いてすごくワクワクしたのがきっかけです

ナツ
ナツ

アラタ先生はどんな想いで活動されているんでしょうか

アラタ先生
アラタ先生

MuniMは特別支援というところで、自分にとってのルーツとなる部分がすごく大きいことや、障がいに関して無意識にフィルターをかけてしまっているなというのを以前から感じていました。
自分の経験も踏まえて、障がい者という捉え方ではなく障がいはあるけれどひとりの人間として接する、それをあたり前にするということを伝えていきたいと思って運営に参加しております

ナツ
ナツ

アラタ先生のルーツについて教えてください

アラタ先生
アラタ先生

聴覚障がいを生まれつき持っていますが、聴覚障がいって気づかれにくい障がいで見た目ではわからないものなんです。なので、コミュニケーションにおいてお互いボタンの掛け違いが生まれやすいなと、今までの経験上思っています。
「聞こえない=できない」というマイナスなイメージを自分自身で持たず、聞こえないだけでそれ以外のことはできる、イメージの脱却をはかりたくて特別支援に関わっています

 

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仕事との両立

ナツ
ナツ

活動での経験は教員の仕事に活かされていますか?

アラタ先生
アラタ先生

そうですね。自分から今何をすべきなのか考えたり、仕事に対してさらに責任を持って取り組むモチベーションになっているなと思います

ナツ
ナツ

働きながら2つもの団体で活動を行うのは大変だと思うんですが、仕事と両立するために心がけていることはありますか?

アラタ先生
アラタ先生

仕事のあとミーティングに参加したり、頼まれた仕事をやらなければいけなかったりと忙しい生活ではありますが、やりがいを大切にしています。また、困ったときは無理せずメンバーに相談するようにしていますね

ナツ
ナツ

やりがいがあれば、大変でも乗り越えられますか?

アラタ先生
アラタ先生

そうですね。支えてくれるメンバーがいるから乗り越えられています

ナツ
ナツ

団体活動を通して支え合える繋がりができるんですね。

アラタ先生、社会的意義のある素敵な活動を紹介してくださりありがとうございました!

 

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インタビューまとめ

  • もあふるはオンラインで性教育を学べる場を提供している団体
  • MuniMは特別支援教育を学べる場を提供予定の団体
  • やりがいを大切に活動している

 

もあふるのTwitterアカウントはこちら→@moreful_Edu

MuniMのTwitterアカウントはこちら→@M02M03

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