「先生をやりながら趣味の時間は持てるの?」
プライベートの時間を充実させている先生に、取材します。
今回は小学校で働くBacchus先生に取材しました。
ラップって想像しているイメージと違うかも?自分を表現する方法の1つなんです!
Bacchus先生のプロフィール
名前 | Bacchus |
年齢 | 20代 |
勤務場所 | 小学校 |
勤務形態 | 専任 |
趣味はラップ
Bacchus先生の趣味を教えてください!
ラップをやっています
ラップを始めたきっかけは何だったんですか?
もともとラップの音楽を聴くのが好きで、大学生のときに友達と文化祭で「ちょっとやってみようぜ」ってステージで披露したのがスタートです
ラップの音楽、ってことはHIPHOPがもともと好きだったんですか?
そうですね。中学生のときからヒップホップの音楽をずっと聞いてます
ラップって、「ちょっとやってみようぜ」でいきなりできるものなんでしょうか
ラップバトルって聞いたことありますか?
深夜にテレビでやってるのを見たことあります!
『フリースタイルダンジョン』とかですね。相手と1対1で向かい合って即興でラップバトルをするんですけど、自分もああいうラップバトルから始めました。
いろんなバトルに出てたら言葉がすぐ出てくるようになって、ラップバトルだけじゃつまらないから曲作りもやったり、幅を広げながらやってます
ラップの疑問あれこれ
すごく疑問なんですけど、ラップバトルに出ている方ってどうしてポンポンと言葉が出てくるんですか?
慣れですね。
YouTubeとかでラップバトル用の音楽があるんですけど、それをずっと流して思いついた単語を繋げながらラップをしていく。そんな感じで友達と練習しました
「韻を踏む」っていうのも慣れたらできるものなんですか?勉強しないと出来なさそうですけど
勉強とかしてるわけじゃなく、本当に慣れなんです。
確かに言葉をたくさん知っている人の方が引き出しが多くていろんな韻を踏んだりできます。でも韻を踏むのは瞬時に言葉を繋げることが大切なので、もう本当に練習ですね
言葉の勉強をしておくというよりかは、ラップで練習ってことですか
そうですね。
ラッパーが集まって即興でラップすることをサイファーっていうんですけど、コロナ前はラップ仲間と駅前でサイファーをしたりしてました
Bacchus先生は普段からたくさん本を読むタイプですか?
いや、ぜんぜん本読まないです、苦手ですね
じゃあ本当にラップで言葉を蓄えてラップで言葉を出すんですね
ラップの曲って自分の体験談やリアルなことが書かれているものが多いので、そういうのをたくさん聞いて言葉を知ったりしてました
私ラップバトルで疑問に思ってるんですけど、相手を”ディスる”のはどうしてなんですか
もともとラップってアメリカの黒人の文化で、昔の黒人は権力もお金もなかったから「上に勝るものはないか」って考えたときにダンボールを叩いたりして音を生み出して、言葉を吐いて相手をけなしたっていうのがラップの始まりです。それがずっと受け継がれているっていう感じですかね
相手を言い負かした方が勝ちってことなんしょうか
言葉の使い方、韻の踏み方、お客さんが納得するかとか、いろんな基準があります。
ラップバトルは相手をディスるだけじゃなくて、認め合うこともあります。認め合う中でうまく即興で言葉乗せたり、韻を長く踏んだり、そういうのが勝ち負けに繋がりますね
ラップが仕事に活かされていると思うこと
ラップの経験は仕事に活かされていますか?
ラップバトルって即興で言葉を返すじゃないですか。教員をやっていると似たような場面があります
例えばどんなときでしょうか
子どもが悪いことをしたときにじっくり考えて指導することも大切だけど、どうしてもその場ですぐ対処しないといけなかったりしますよね。だから即興力ってすごく大切だなと思います
確かに、授業中のやり取りなんかでも即興力が試されますもんね
そうですね。そういう面ではラップと結びついてるかと思います
ラップの曲作りについて
Bacchus先生は曲作りもされているとのことですが、ラップの曲を作るのってどのくらいの時間がかかるんでしょうか
30分くらいで作れます
何日もかけて作るものかと思ってました
何日もかけて作るラッパーもいるけど自分はそのやり方ができなくて、言葉が降りてきたらバーッと書きます。
音源はフリートラックっていう、自由に使っていいのがいっぱいあるので
Bacchus先生の曲作りの過程を教えてください!
ルーズリーフに言葉をバーッて書いて、フリートラックを流してその言葉が曲に合うか考えながら歌って、それを繰り返します。最後はiPhoneに入ってるGarageBandっていうアプリで録音します
スマホを使うくらいで特別な機材はいらないんですか?
特にいらないですね。
本格的にCD作ったりするならレコーディングのマイクとか買ったりすると思うんですけど、遊びでやるくらいなら全然いらないです
作詞は何かテーマを決めてから書くんでしょうか
自分は「曲を書こう」と思って書くことができなくて、何か出来事があると言葉が降りてくることが多いです
最終的に作った曲はどうするんですか?
よくできたやつはYouTubeにアップしています
ラップを学校で披露した話
ラップをやっていて良かったと思う経験はありますか?
学校でライブをやったとき、「先生ってこんなことできるんだ、来年もやって!」って子ども達に言われました
すごい!学校でライブをしたんですね。
もともとラップをしていることは公表していたんですか?
してました。
1回目は総合的な学習の時間でライブをやったんですよ。「先輩から話を聞く」みたいな回で、福祉の人とかいろんなジャンルの人がいる中で、ラップを趣味でやってる先生ってことで
子ども達やほかの先生からはどんな反応がありましたか?
泣いてくれた先生もいたし、子ども達も高学年になると言葉の意味がわかるから、泣いてくれて手紙もらったり。
2回目のライブは離任式のときで、2年連続で受け持った3年生にラップをしたらほとんどの子が泣いてくれて、「3年生がこんなに泣くんだ」と思いました
ラップと感動っていうのが私の中でぜんぜん結びつかないんですけど、どんな曲を披露したんでしょうか
自分の実体験を曲にして、それが先生や子ども達にすごく共感してもらえました
想像していたラップと全然違いました…。これは感動します!
たぶんどの先生も子どもに「夢を持て」とか「好きなことを見つけなさい」とか、そういう気持ちがあると思うんです。そういうことを言うんだったら先生も、“先生”以外の自分を表現する場を作った方が良いと思っていて。
自分だったらそれがラップだからラップで表現して、「先生ってこんな一面があるんだ、なんかかっこいい」って思ってくれたら良いなって
ラップは教師におすすめか?
Bacchus先生が思うラップの良さを教えてください
自分はふだん言えないことというか、溜まっていることを出すために曲を書いてるんです。
だから、ラップって自分の気持ちを表すツールとしてすごく良いなと思います
ラップは趣味として学校の先生におすすめですか?
人によりますね。
自分はただ自己表現方法としてラップが型にはまっているからラップをしているだけなので。それがはまらない人もいると思うし、ラップってけっこう偏見を持たれやすい音楽だと思うので
Bacchus先生とお話しするまでラップって怖い人がやるイメージでした
いろんな人がいます。逮捕されてニュースになってしまうような人もいるし…でも真逆のサラリーマンのラッパーとかもいるんですよ。いろんなジャンルの人がいて、自分の実体験を歌ったりしていますね
「ラップだから怖い人がいる」ってわけじゃなくて、普通にいろんな人がラップをやってるってことですかね
その人に合った自己表現方法としてラップに辿り着くだけです。
別にラップじゃなくても例えばダンスだったり、スポーツだったりで自分を表すのが得意な人もいるから、何がはまるかかは人それぞれだと思います
確かに人それぞれですもんね。
Bacchus先生、ラップについて教えてくださりありがとうございました!
インタビューまとめ
- ラップで身に付く即興力は教師にとって大切な力
- ラップは人を感動させることができる
- ふだん言えないことをラップにのせる
- ラップは自己表現方法のひとつ
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